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ビジネスモデル 企業分析

プロも舌を巻く企業分析力で資産が5年で10倍に!~すぽさんインタビュー【中編】

リアル投資家列伝・「4つの鉄板ビジネスモデル」への投資術 / すぽ

2019.6.18

いよいよ日本株へと進出したすぽさん。

最初に買った銘柄であるインフォマート

テンバガー(10倍株)

となる大成功を収めます。


成功のポイントの1つは

小学生時代から培ってきたビジネスモデルの知識でしたが、

すぽさんにはあと2つ、銘柄分析で大事にしているポイントがありました。

これまでの失敗を活かし、

しっかり体系づけられた3ステップの投資手法は必見です。


プロも舌を巻く企業分析力で資産が5年で10倍に!~すぽさんインタビュー【前編】を読む

銘柄分析はまずは成長性の確認から

「 インフォマート 」への投資で成功したすぽさん。

投資を決断した背景には、

ビジネスモデルの知識に加え、

中国株投資での教訓があった。


インフォマートの株価

06/01 15:00

8008759501,0251,1002/8 3/17 4/21 6/1 

インフォマート

2492 東証1部

¥ 892
-28

「中国株をやってみて、

『割安性だけを見ても

株価は上がりにくい』

ということを学びました。


割安だからといって買った株は上がらず、

一方で

割高なはずの損保会社や食品大手の株価は安定して上がっていきました。

『割高だろうが関係ない。

会社が大きくなれば、それでいいじゃん』

という話なんだな、と」


割安なだけでは不十分。

それ以上に大切なのは

成長性

なので、

まず見るべきなのは業績、だ。


「最初に売上や利益などの数字を

過去5年程度

見て、

成長しているのか、

停滞しているのか

を確認します。


あとは

営業利益率ですね。

営業利益率が高い会社は

それだけ利益を出す仕組みを持っている

ということですから」


売上が

年15%から20%程度の成長を見込め、

営業利益率も

コンスタントに10%以上を維持している

ことが目安となる。

次に考えるのは、儲かっている理由

「次に考えるのは

『この会社はなぜこんなに儲かっているんだろう?』

ということ。


その理由を考えていくと

答えがビジネスモデルにあることも多いんです」


考える資料となるのは

決算説明会の説明スライド。

ホームページを覗けば、

ほとんどの企業で用意してあるはずだ。


「決算説明資料がいちばんわかりやすいと思います。


何をやっている会社なのか

という全体像がわかりますし、

事業のポイントも説明されています」

ただ、

会社から提供された情報だけでは、

見落としがあるかもしれない。

「足りないのは

競争環境についての情報です。

自信のある会社は

競争環境を

自ら説明してくれる場合もあります。

しかし、

競合と勝負が拮抗しているような会社ですと、

競争環境を説明していないことも多いんです」


そうした場合は、

「シェア」

でググったり、

アナリストのレポートなどを探してみる。


「それに加えて、

把握しておきたいのが

ユーザーの声。

どのような利便性を感じて選ばれているのか

を把握しておきたいですから、

そこは

「商品名 口コミ」

などのキーワードでインターネット検索して情報を探していきます。

BtoC企業なら

自分で使うのが早いですね」

最後に「割安かどうか」を確認

ここまでを確認すれば

即座にポートフォリオに加えたくなるが、

魅力的な企業は

割高な株価水準となっていることも少なくない。


最後に確認するのは

株価の「割安・割高」だ。


「単純にPERが低い割安銘柄

ならいくらでもありますが、

『成長性を確認した上で、

PERを見る』

というスタイルです。


が目安とするのは

5年で2倍の成長性。

複利で計算すると年15%で成長すると

5年で2倍になります。

そんな会社なら

PER20倍でも割高ではないし、

成長性が5%程度ならPER10倍が目安です」


見た瞬間に

勝利を確信したインフォマートでも、

成長・ビジネスモデル・割安の3つのポイントを確認していた。

「調べた当時、

インフォマート

売上が過去5年平均で9.9%成長で、

営業利益率も20%を超えていました。

なぜそんなに儲かるのかと資料を見ると、

典型的なプラットフォーム型のビジネスモデルだった。

価格支配力があるため、

利益率が高くなっていましたし、

商品の『売り切り』ではなく、

食材の企業間電子取引市場への『参加料』

として定期的に売上が立つ

ことも大きな魅力でした」


すぽさんがインフォマートを買ったときのPERは15倍ほど。

この数字だけを見れば割安とは言えないが、

年10%の成長性があるなら買える水準になる

というわけだ。


「1銘柄にかける時間は2、3時間。

気になる会社があれば、

通勤中にiPad miniを開いて資料を読み込みます。

決算説明会のスライドを見るのに、

iPad miniはちょうどいいサイズなんです」

売却ルールは「2倍になったら半分売って心に余裕を」

インフォマートなど5銘柄でリスタートしたすぽさんの株式投資

順調に進んでいった。


アベノミクスの追い風で

日本株市場が上り調子になってくれたこともあり、

大きく増えました。


インフォマートのほかにも「 日本M&Aセンター 」や「 FPG 」が寄与してくれ、

2017年には

資産が10倍になりました」

M&Aの株価

06/01 15:00

2,5002,6752,8503,0253,2002/8 3/17 4/21 6/1 

M&A

2127 東証1部

¥ 2,610
-10

FPGの株価

06/01 15:00

4005006007008002/8 3/17 4/21 6/1 

FPG

7148 東証1部

¥ 738
+8

インフォマートはテンバガー(10倍株)に、

日本M&Aセンターは5倍、FPGも2倍となった。

当初の予想を超える大成功だった。

しかし、こういったとき難しいのは

売りのタイミング

だ。

すぽさんはどのように株を売っていたのだろうか?


「買値よりも2倍になったら持ち株の半分を利益確定する、

ということをルールとしていました」

経済学でいう

プロスペクト理論

に基づくルールだ。


「人間は損をするのが嫌いなので

損切りは遅くなりがちだし、

利益は早めに確定してしまう傾向があります。


それを緩和しないといけないので、

少し上がっただけでも利益確定したくなる気持ちを抑えるためのルールでした」


2倍で半分を決済すれば、

その時点で元本は回収済みとなる。

心に余裕ができるから

残り半分の利益を伸ばしやすくなる。


「成長株はバブルっぽい動きとなり、

PERが60倍、

80倍といった水準まで高まることもあります。


そんな、まだ見ぬ世界をこころおきなく狙っていこう、と」

資産10倍になったからできた「決断」

このころには仕事でも変化が訪れていた。

「会社の労働組合の専従となりました。


従業員側の代表として

企業年金の運用会議にも出席したり、

労組自体の資金の運用も行なうようになったんです」


自然と証券会社や運用担当者と話す機会も増えていった。

「資産運用のプロの話す内容がわかるようになりましたし、

ポートフォリオがどう成り立っているのか、

そもそも会社の会計がどのように成り立っているのか、

そんな学びになったと思います」


経験を積み、

知識を深め、

2017年には当初の10倍へと資産が膨れ上がっていた。


「目安は5年で2倍でしたが、

それを大きく超えてくれました。

もちろんマイナスになる時期や、

思ったほど伸びない会社もありましたが、

成長性があり

割安な銘柄を選んでいけば

5年で2倍は普通に達成できる数字だ

と実感しました」


2018年、すぽさんはある決断を行なった。


「うちは子どもがひとりいるのですが、

夫婦共働きでした。

2馬力で働くのは、

お金の面ではいいのですが、

子どものことを考える

『時間が足りないな』

という思いがありました。

子どもを迎えに行くのにも、

なかなか仕事を調整しづらかったり……。

どちらかが仕事をすこし減らして、

1.6馬力くらいで働ければ、

いちばんバランスが良かったのですが、

それも難しい。

幸い資産が増えたので、

僕がいったんゼロ馬力になろうと」


2馬力から1馬力へ。

すぽさんは会社を退職した。


「家事は僕がやっています。

朝ごはんをつくるし、

掃除や洗濯、

子どもの送り迎えも僕です。

妻には今までどおり1馬力で働いてもらっているので申し訳ないですが、

楽しそうにやってくれているのでよかったのかなと。

こうしたチャレンジができたのも株で資産を増やせたおかげですよね」

ブログをつけているすぽさん。

退職したことでブログの活動も活発化していく。

そんなすぽさんのブログは

著名個人投資家の選ぶブログランキングで1位になったことも。


次回は、ブログの中で行う銘柄分析や、儲かる4つのビジネスモデルについてお聞きします。